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仁徳天皇とその皇子たち②

国家を繁栄さえて、大規模な治水事業を行ったり
神風満帆に見える仁徳天皇だが
結婚に関しては悩みが絶えなかった

仁徳天皇の妃は石之日売命(イワノヒメノミコト)は
非常に嫉妬深い妻だった

仁徳天皇が召した吉備の黒日売(クロヒメ)は
皇后の嫉妬深さを恐れて船で故郷に帰ってしまった

その際に仁徳天皇が黒日売を難波の港まで見送ったことに
腹を立てた石之日売命は黒日売を船から降ろして
陸を徒歩で帰らせた

それを不憫に思った仁徳天皇は
淡路島に行くという口実を設けて皇后の目を盗み
淡路島から伝って吉備に向かい黒日売を慰めた

ある時、皇后が紀伊に行ったすきをついて
仁徳天皇は異母妹である八田若郎女(ヤタノワキイラツメ)を妃にした
それを知った皇后は激怒し
難波に戻らずに淀川を遡り筒木宮(現在の京都府京田辺市)にこもってしまった

仁徳天皇は使者を送り説得を試みたが
皇后は全く耳を貸さず
最後には仁徳天皇が直接出向き頭を下げて
ようやく許しをこうた

仁徳天皇は女鳥王(メドリノミコ)に求婚したこともあった
だが皇后が嫉妬深いことが原因で断られてしまう

女鳥王は速総別王(ハヤブサワケノミコ)と結婚する
そして仁徳天皇を抹殺しようと夫をそそのかした

その情報を耳にした仁徳天皇は
ふたりを討ち取るために軍勢を送った

夫婦は手に手を取り合って
倉掎山(現在の奈良県桜井市の山)に逃げた
しかしほどなくして敵が追ってくると
今度は宇陀の蘇邇(現在の奈良県宇陀群曽爾村)を目指した
石之日売命いしかし、ここで二人は逆臣として殺されてしまう

ちなみに、争ったこの3人は
ともに応神天皇の腹違いの兄弟だ

妃の嫉妬に振り回される仁徳天皇は
人間らしさがあるが
これは夫婦間の問題というだけではない

自分の氏族から妃を出すことは
その氏族にとっては地位を高めることに繋がる

この物語は、単純に夫婦の浮気とやきもちの問題ではなく
皇后の出身氏族の勢力争いなのである

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