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倭建命の遠征②

小碓命(コウスノミコト)は当時はまだ15歳か16歳の少年だった
父に与えられた熊曾討伐の使命を果たすために
伊勢にいる叔母の倭比売命(ヤマトヒメノミコト)のもとを訪れた

倭比売命は垂仁天皇の娘であり
天照大御神を祀る伊勢神宮を管轄していた

倭比売命は小碓命に少女の衣装を授けた
小碓命はその衣装を持って剣を懐に
父の使命に応えるために九州南部へと向かった

朝廷に刃向かう熊曾建(クマソタケル)の兄弟の屋敷は
軍勢で固められていて容易に攻め込めなかった
じっと機会をうかがっていると
屋敷の増築完成を祝う宴が開かれるという
小碓命は髪をおろし
叔母からもらった衣装を身につけ少女に変装した

少女の姿で宴に潜入した小碓命は
熊曾建に気に入られた

熊曾建は、小碓命をそばに置いて酒盛りを始めた

宴が最高潮になったとき
小碓命は懐にかくしていた剣を抜き
熊曾建の兄のほうの胸を刺しぬいた

その光景を目の当たりにした弟は
慌てふためいてその場を逃げ出した

小碓命は逃げ出す弟を追いかけて
尻に剣を突き立てた

弟は息も絶え絶えになりながらも訴えた
「西には我ら兄弟よりも強いものはいなかった
ところが大和には我らよりも強いものがいたようだ
建の名前を献上すりので
今後は倭建御子と呼んで敬おう」

しかし、その訴えを小碓命は聞かずに
熊曾建の体を斬り裂いた

九州の熊曾建を屈服させた小碓命は倭建を名乗り
その足で出雲建を倒すために出雲へ向かった

出雲建に近づいた倭建は
木で偽物の剣を作り
それを出雲建に渡して立会を申し込んだ
出雲建は受けて立ったが木の剣では戦うことができない
あわてた出雲建を倭建は一刀両断に斬り倒した

大任を果たした倭建は
晴れて大和へ帰還した
父に今回の戦果を報告するために…

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