Home > コラム | 古事記 > 天孫降臨②

天孫降臨②

邇邇芸命(ニニギノミコト)は、笠沙の岬(現在の鹿児島県薩摩半島の野間岬)で 見目麗しい木花之佐久夜毘売(コノハナノサクヤビメ)を見初めた
結婚したい邇邇芸命は、許しをもらうために

木花之佐久夜毘売の親である大山津見神(オオヤマツミノカミ)のところに使者を派遣した しかし、大山津見神は献上品を添えて、一緒に姉である石長比売(イワナガヒメ)も差し出してきた

しかし、石長比売は恐ろしい容姿だったため 邇邇芸命は姉だけを親のもとに返した

 

親である大山津見神曰く

「姉妹を差し出したのにはわけがある。石長比売との子の命は岩のように永遠になり、木花之佐久夜毘売との子は咲き誇る木の花のように栄える。しかし、妹の方だけを選んだので生まれてくる子たちの寿命は限りあるものになってしまった」

 

これは、天皇が人間と同じ寿命である…ということに対し 整合性をはかるためのストーリーであると考えられている

 

邇邇芸命と一夜を共にした木花之佐久夜毘売は懐妊し出産の時を迎えた

しかし、邇邇芸命は木花之佐久夜毘売を疑った 生まれてきた子は地上の神の子ではないか…?と 木花之佐久夜毘売は、「高天原の御子であるから、必ず無事に生まれるはずだ」と 産屋に入り、自ら火を放った

燃え盛る炎の中で木花之佐久夜毘売は3人の子を生んだ

 

その3人の子は

火照命(ホテリノミコト)、火須勢理命(ホスセリノミコト)、火遠理命(ホオリノミコト)

といい

炎の中での出産にも関わらず、3人とも無傷で 木花之佐久夜毘売は天の血をひく子であることを証明した この3人は天照大御神の曾孫にあたり

火須勢理命は初代天皇の神武天皇の祖父となる

 

木花之佐久夜毘売は古事記では、神阿多都比売(カムアタツヒメ)という別名で語られることがある

この名称から九州の阿多地方の氏族の女神であると考えられている

 

そして後世になって

木花之佐久夜毘売は富士山の神として祀られ 石長比売も石の神として神奈川県の大山お祭神となり 人々から信仰を集めている

Home > コラム | 古事記 > 天孫降臨②

 

このページのTOPに戻る