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現代のお墓の事情

現代は、お墓のことが家族の中で話し合われる機会が多くなってきた

どの土地にお墓を持とうか?そこには誰が入る事になるのか?そのお墓は誰が管理するのか?

…など、お墓に関して様々な問題を抱えているからだ

昔は、それほどお墓について深く考えたりすることが少なかった

なぜならば、お墓については決まっているものだったのだから…

明治以前の私たちの生活は

ある土地に生まれたならば、その土地で働き、その土地で結婚して子どもを産み

そして、その土地で老い、病気になり、子どもに扶養され

家族で死を迎え、その土地の墓に葬られる…ということが普通だった

血縁、地縁と呼ばれる、土地の人間の強い結びつきによって

地域共同体の中で、人生の始まりから終わりまでを完結させていたのだ

しかし、明治以降

人々のライフスタイルや、仕事の仕組みなど

多くのことが近代化することによって

私達の生活様式も変化して

それ以前のような地域共同体で全てが完結するような人生ではなくなった

国際経済の中の一員としてこの国が成り立っている以上

産業構造は必然として変化して

私たちは、一カ所にとどまって生活をするようなことは少なくなってきた

ライフスタイルの変化によって

死の迎え方も、従来通りというわけにもいかない

墓の所在も、変化していく

それぞれの家族に、それぞれの死の迎えかた、お墓の構え方の考え方があり

ライフスタイルに合わせて、その家族の最善を尽くしお墓のあり方を考えていく

たとえ女性であっても

一人っ子なども多い関係上、夫婦で双方の両親のお墓の管理をする場合も発生してくる

その中で、様々なトラブルの発生も仕方がないのかもしれない

ここ100年程度のお墓の事情の変化には

現代の人々は、良い解決方法を見いだせていないのかもしれない

それぞれの思惑が交差する中に

お墓の問題が取り残されていることは

生命の価値を軽視しているようにも見える

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