中国の十王信仰は
「地蔵十王教」に初めて出てきている
これはインドでできた経典ではなく、中国撰述、擬教と呼ばれる
中国で唐代の末頃に作られたお経である
この経典の中に「冥途の旅」のことが書かれている
中国の特色として
生きている人はもちろん、死後の苦しみを救うことが
地蔵菩薩の大きな使命であり
これは日本に渡ってきた時にも、そのまま当てはまる現象が起きていた
「冥途の旅」と「十王信仰」をならべる
初七日(第1週)…亡者は死天山に到って秦広王の裁きをうける
二七日(第2週)…三途の川を渡る際の奪衣婆や懸衣爺によって災難を受け、初江王の宮殿で裁かれる
三七日(第3週)…悪猫や大蛇によって苦しめられるが、宋帝王によって助けられる
四七日(第4週)…五官王の前に呼び出されて、秤量舎で罪業の重さを計られて、勘録舎へ廻される
五七日(第5週)…35日目には、浄頗梨の鏡の前で閻魔大王の裁きを受ける。しかし、本来地蔵菩薩なので、善悪の業の報いは裁定するが、地蔵の誓願を信じたものだけが乗れる船は必ず彼岸へ到る
六七日(第6週)…変成王の裁きを受ける
七七日(第7週)…四十九日には太山王が亡者の二枚舌の罪を裁くが、亡者はその苦痛から追善を求める
百ヵ日(第8関門)…平等王の前に呼び出されて教化されるが、追善作善の功徳を受けた者は、その妙善によって天堂を見ることができる。
一周忌(第9関門)…都市王は亡者を哀れんで、多くの経典の中で法華経が第一であること、そして多くの仏の中では阿弥陀仏が第一であることを教え、法華経を写し、阿弥陀仏の仏像を造れば、その追修の福によって、亡者は金人にのぼることができる
三回忌(第10関門)…五道転輪王は、邪な考えや勝手気ままでしまりのない行い、あるいは仏教の正しい教えを知らないためにつくった禍や罪が、車輪のように廻って、亡者はいま、畜生、餓鬼、地獄の三悪道の獄にしることを教える