輪廻転生という考え方は、仏教において深く語られる言葉
簡単に言うと「生まれ変わり」ということだ
科学合理主意を唱える現代では否定的な人も多いのだが
仏教においては、古くから輪廻転生は真理として語られてきた
そして輪廻する場所は、また同じ場所というわけではなく
六つの世界に輪廻する…という考えが「六道輪廻」である
その六道とは「地獄」「餓鬼」「畜生」「修羅」「人間」「天」の六つである
人間、もしくは全ての生き物がこの六つのいずれから転生してきて
来世も、この六つのどれかに転生すると考えられている
では、どのようなことで転生する場所が決まるのだろうか?
これは、前世での行ない(業や宿業、インドではカルマなどと言われる)の良し悪しによって転生場所が決まると言われている
「前世での善いおこないの結果としては楽を、悪いおこないの結果としては苦しみを
必ず来世で受ける」という考えが『前業楽果、悪業苦果』(=「善因善果、悪因悪果」)というものである
そして六道は、どの世界に転生したとしても「死」と「苦」はから
逃れることはできない
「死」と「苦」の存在する世界は、仏教において最終目的ではないのだ
六道輪廻の原因はすべて「煩悩」の影響を受けている
智慧あるものは、本当の幸せや真理を追い求めて修行の道を選んだりするが
無知であることで欲望に振り回される魂は、その欲望に沿った生き方をした結果
その行いが業として、次の転生を決定する
だから仏の道を目指す者は、煩悩を断ち切り
永遠に繰り返される六道輪廻の道から抜け出すことを目指すのである
これがすなわち「解脱」である
「解脱」というのは、涅槃のことであり菩提ともいう
この六道輪廻の循環から抜け出し解脱するものが成仏できるのである
解脱したものは、煩悩に振り回される六道の此岸(娑婆世界)を離れて
彼岸の浄土を往くことを許され、仏の国へ往生することになる
仏の国の浄土には「死」も「苦」もなく
悩み、苦しみ、死の恐怖から解き放たれ
往生した人は、二度と六道輪廻を繰り返すことはないと考えられているのだ
それゆえ、現世に置いて功徳を多く積み
魂をより高い世界へ引き上げる努力や修行を行なうのである
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