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徳を積む

高齢者の方と話をしていると

たまに、こんな話を聞く

「私はとても幸せな人生でした。御先祖様がどれほど徳を積んで下さったのかと思うと、本当に感謝しなければなりません」と

 

最近は、この「徳」「不徳」を聞くことが少ない

「徳を積む」という概念そのものが無いのかもしれない

 

では、いったい「徳」とは何であろうか?

 

一般的には、良い行いのことを指していると思われる

 

では、どうして御先祖様が徳を積むと

その子孫が幸せになれるのか?

 

「徳」「不徳」は、貯金のように貯めることができると考えられてきた

良い行いをすれば、その分幸せになり

その人の人生で使いきれなかったほどの「徳」は、その子孫が受け取れるとされてきた

 

だから、良い行いをたくさんしてきた御先祖様の子孫は

幸せの恩恵を受け取ることができる

 

逆に「不徳」を積んだ場合は

その子孫が、その不徳の後始末を強いられることとなり

自分の悪い行いを、自分の代で浄化しきれないと

その子や孫が、不幸な思いをするのだ

 

この考え方の前では

自分さえ良ければそれでいい…というエゴイズムは通用しないことになる

 

そして、自分の子孫に幸せになってもらいたい…という思いが

その行動に緊張感を持たせる

 

ヨガの教えでも「功徳を積む」とか「カルマ(業)の法則」などの言葉があり

行いが貯まる…という意味で解釈されている

 

インドのヨガの教えは

日本の「御先祖様の徳」と少し意味合いが違い

輪廻転生が信じられているので

次の世でも引き継がれる…と考えられている

 

ほかの国でも似たような考え方や教えがあり

信じるか、信じないか…という話は別にして

この「徳」の考え方は、潜在意識に刷り込まれている

人類共通の認識なのかもしれない

 

信じないからと不徳を重ねて

本当に自分や、子孫に返ってきた時に後悔するよりは

徳を積み、自分の来世や、子孫が幸せであるように願う方が

どちらにしても得なのかもしれない

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