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「クルワ」「マキ」のある暮らし

この度、東北、関東地方を襲った震災に際し

被災者の方々に、心からお見舞い申し上げます。

 

いつも災害の報道を見て感じることは

地域の連携の重要性である

 

「遠くの親類より、近くの他人」とはよく言ったもので

このような災害には、とかく近所同士の助け合いが必要となってくる

 

昔は、親戚一同が近くに暮らし

助け合い、子孫に家督を継承し

その親族単位を守ってきた

 

同姓の親類一族の総称を「クルワ」または「ヤウチ」

祖霊信仰を中心とする同族血縁の共同体を「マキ」

と呼ぶ

 

どちらも同じように感じるが

マキは、本家・分家の統制集団とのニュアンスがある

 

北海道では、あまり見られないが

マキやクルワが、ひとつの部落を形成しているようなところは

同じ苗字の一角を確認することができる

 

小林、高橋、田中、佐藤といった

珍しくない苗字の場合でも

その分布にははっきりとした偏りがあることが確認できる

 

しかし、同じ苗字の二人に「親戚ですか?」と聞いても

めたに「そうだ」と言われることはない

それほど、同苗の家が多いので

「以前は親類だったが、今は付き合いがない」

「知っているが、関係性までははっきりしない」

「全く関係がない」

というのが普通である

 

現在は、親類の中に縁者…すなわち姻戚まで含めることが多い

 

姻戚を除き、残りわずかなものが

「マキ」と言われる結合体であろう

 

もっと言うなら

遠く離れて住む、先祖の出た家

その他、特別の由緒があって付き合いを続けているものは

親類とは言っても「マキ」の部類には含まれない

 

また、血筋以外の縁故によって、親類ではないが参加している人も多少はいるのだが

以上の事柄でも、「マキ」の形態は変化をしていないようである

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