現代、家督や育成環境に囚われず
自分の進みたい道を選び、自己責任で歩んでいく-という生き方が当たり前のようになってきていて
商売を営む家などは、後継者問題に頭を悩ませ
商売を継ぐ子があればありがたがり
子も時には商売人の子であることを恨み、自分の夢を諦めてまで継ぎたくないとか
好きな道に進みたい…などと、実家の商売と全く違う道に進む場合も多い
昔は、今のように職業の選択肢も少なく
そもそも、職業を選ぶという概念より
どのように生き延びていくか?が最も重要な課題であり
生きていくために必死に田畠を耕し
その子が、引き続き生活していけるように田畠を継がせ、子が多いようなら新たに開墾し、与えたのである
これが、一代のみでリセットされ
人は家督を継がずに、一から開墾し
田畠を手に入れて、農業を営む-
などということになれば、大変な労力となり
なにより社会全体の効率が悪すぎやしないか?
先祖のさまざまな経験が知恵となり、基盤となり
その家督を継ぐことで、同じ過ちを犯すことなく
先祖の知恵を取り入れ、それに自らの経験や知恵を加えて、より高めたものを子孫に伝えていく-これがまさに進化である
血縁、地縁も引継ぎ
小さな社会の中で、絆や人間関係も繋いでいく
その縁を大切に育て、助け合っていく
現代は、近所付き合いや、親戚付き合いを煩わしく思う人も多く
小さな単位の家族で生活する人も多いが
昔のように、家督を継ぎ、地縁、血縁を大切にする生き方の方が効率が良く、無駄が少ないように感じられる
家督を煩わしく思うより
自分で積み上げる苦労や効率の悪さを考えると
ありがたいプレゼントであることが理解できるだろう
家督とは、商売の屋号ではなく
その中に含まれる縁や、知恵などの
多くの時間を割かなければ手に入れることのできない「無形の家督」が含まれることにも目を向けていただきたい
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