- 2010-11-15 (月) 18:30
- コラム | 行方不明者の墓~一家族の決断~
失踪家族の存在をどうするのか?
そんな答えはすぐには見つからなかった
ただ、このままにしておくと結果はおのずと見えてくる
おそらく、家族はこの問題に言及しなければ
時間の経過で、両親がこの世を去ることになり
その場合、長子である私が
弟の身元引受人となる可能性が高い
いつも母が語る
「弟が見つかったら、私達が死んだ後、お姉ちゃん(私)に面倒を見てもらうから○○しなくちゃね」
というように、見つかることが前提の会話が続くのだ
その場合「もし、死んでたらどうするの?」なんてセリフはタブーだ
両親がこの世を去った場合
判断は、私と妹にゆだねられることになるだろう
戸籍はそのまま存在するのだろう
高齢を向かえた私達は、弟の戸籍をどうしようと考えるのだろうか?
失踪者は、人間の限界と思われる年齢まで放置されるのだろうか?
2010年の夏は
所在不明老人がマスコミを賑わした
常識では考えにくい年齢の人まで登場し
人は、死亡届けが出されなければ
存在していることになるのか?と
人事とは思えないニュースに判断を迫られるような気がしていた
おそらく、私が死んで
弟の戸籍がそのまま残ってしまったら
弟は、戸籍上では非常に長生きすることになる
誰かが、この沈黙を破り
弟の失踪事件に決着をつけなければ
いつまでも終わらないのだ
あやふやな希望だけを持ち
生きていかなければならないのは
とても残酷な話なのである
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