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2015-09

根之堅州国はどこにあるのか?

スサノオは根之堅州国(ねのかたすくに)に住むと言われている
その根之堅州国とは、現在のどこに存在するのだろうか?

スサノオはクシナダヒメと結婚し
子供がうまれると根之堅州国に住まいを移した

根之堅州国は通称「根之国」と呼ばれていて
根之国は黄泉国と同義語であると解釈されているので
根之国は死者の国を意味することになる

この根之国とは、どこにあるのだろうか?

古事記には死者の国へ行く道は、出雲の黄泉比良坂(よもつひらさか)にあると記されている

しかし「出雲国風土記」には、出雲郡の宇賀郷に「黄泉の坂、黄泉の穴」という場所があると記載されている

そこは、今の島根県出雲市猪目洞窟であると言われている

その出雲国風土記には
出雲郡の北の方に脳(なぎつ)の磯と呼ばれている場所があり
その窟戸(いわと)に穴があり
夢にこの窟に来るものは必ず死ぬ
と伝えられていた
そのことから、この場所が「黄泉の坂、黄泉の穴」と呼ばれるようになったようだ

出雲と「死」は以前から関連があった

黄泉国と同義語である「根之国」の言葉の意味は
死者の国が地下にあること
根は地下に向かって伸びること
が関連付けられ由来となって
根之国が死者の国であると解釈されている

イザナミが葬られた場所も
現在の島根県安来市だと言われている

スサノオが住む根之国は
出雲の地下深くに存在する国だということがわかる
そして、その地下に通じる道…根之国の出入口が、出雲のいたるところにあったと言われている

出雲大社の北側にある日御碕神社には
アマテラスを祀る「日沈宮(ひしずみのみや)」という社殿がある
アマテラスを主祭神とする伊勢神宮は
日の昇る位置にあるので、出雲とは対極にある

伊勢神宮は「陽」の位置であれば
出雲大社は「陰」の位置
そのようなことから出雲は死の国に通じる場所であることは
様々な角度からも言えることである

オオクニヌシと八十神

出雲の国を建国したオオクニヌシには大勢の兄がいる
その数は、あまりにも多いので
まとめて八十神(やそがみ)と呼ばれている

この八十神は、因幡のヤガミヒメと結婚したいと願っていた
そして八十神は、因幡へ向かった
その時に、雑用係として、荷物持ちとして連れて行ったのがオオクニヌシである

八十神とオオクニヌシは、ヤガミヒメのもとにたどり着いた
そして、八十神はヤガミヒメに求婚した
しかし、ヤガミヒメは八十神ではなくオオクニヌシに嫁ぎたいと宣言した

このことに怒った八十神は、オオクニヌシを消そうとして
真っ赤に燃える大岩をオオクニヌシの上に落したり
大樹の隙間に挟んだりして殺してしまった

オオクニヌシは、八十神に二回殺されたが
その度に生き返ったのだが
このままでは危ないと思ったオオクニヌシの母神は
オオクニヌシをスサノオのいる根之国へと送った

根之国で新しい力を得たオオクニヌシは
地上に戻ってきて、八十神を撃退した

この八十神は、古事記での扱いはあまりいいとは言えない
そもそも、何人なのか、何十人なのかも不明であるし
個々に名前も与えられていず
兄弟の中で名前が明確なのはオオクニヌシだけであり
あとは、全員ひとくくりにされてしまっている
嫁ももらえず、最後はオオクニヌシによって退けられてしまうので
少しかわいそうな気もする

しかし、それは仕方のないことなのかもしれない
そもそも、この話はオオクニヌシが出雲を建国するまでの一過程い過ぎず
兄達は、やはり主役ではないので
申し訳ないが、この程度の扱いしかないようだ

根之国から戻ってきたオオクニヌシの話の中心は出雲の建国についてなので
八十神を撃退した話も、古事記ではたった一行しか扱われていないのである

しかも、なぜ一番末っ子が主役なのだろうか…

古代は、家督を一番下の弟が継ぐという末子相続が一般的であった

八十神もスサノオの子孫ではあるが
末子相続の慣例に従い、末弟であったオオクニヌシが
スサノオの後を継ぎ、葦原中国を治めることになったのである

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